鏡の向こうにある真実、映画[Dr.パルナサスの鏡]
観ても損はない映画、ということでね
[Dr.パルナサスの鏡]を紹介します
2010年に公開された映画です
監督はテリー・ギリアムという人(有名らしい)
この映画は作品や監督の知名度というよりも違った形で知った人も多いのかもしれない(それ、オレェ~?)
それは、この映画に出てくるトニーという青年役を演じているのがヒース・レジャーという人で、残念ながらこの映画の撮影途中で亡くなっているんです(クリストファー・ノーランのバットマンシリーズに出演したときのヒース・レジャーのジョーカーの狂気の演技はヤバかった)
パルナサスはバットマンシリーズ後の作品で、ヒース・レジャーはジョーカー役にのめり込み過ぎて鬱になったとか呪われたとか様々な説があったほど
実際に映画パルナサスの鏡を観ると、今の演技ジョーカーっぽいな、みたいな部分がある(ように感じる)
その悲劇があって映画そのものが作ることができなくなる
しかし、訃報を知ったヒース・レジャーの友人の
ジョニー・デップ
コリン・ファレル
ジュード・ロウ
の3人が映画を完成させるべく出演することを決意し映画は完成する
ジョニー・デップもコリン・ファレルもジュード・ロウもヒースレジャーが演じていたトニー役を演じている
…ん?
トニー役を演じる??
3人が?
いくら3人が超絶イケメンでも無理ない?顔違うよ?
と思うかもしれないが大丈夫
映画の世界観がそれを可能にしているので大丈夫
ストーリーとしては
物語は2007年のロンドン、パルナサス博士率いる大道芸人一座が街にやってきて劇を披露する
メインの劇はパルナサス博士の
[パルナサス博士の鏡]
この鏡は、ある条件を満たすと人間の心の欲望を開放する世界[イマジナリウム]への扉が開く鏡だった
心の欲望を開放した奇妙な世界
なぜ博士はイマジナリウムへ人々を誘うのか?
ファンタジー好きにはおすすめ
こんなところ
おもろいよ
つづく
ここからネタバレありの感想ス
登場人物のあれこれ
パルナサス博士=[不滅の命]を与えられた1000歳の老人、元は[物語を紡ぐ僧侶]。ニックとの賭けが継続中
ヴァレンティナ=博士の娘、年齢を偽っている、というよりパルナサスがニックとの賭けに負けたせいで偽らされている。いわゆる普通の家庭の幸せに憧れるティーンエイジャー、かわいい
パーシー=パーシヴァル・サンタントワーヌ・デラ・トゥレーヌ・ピエモンテ3世というラピュタの呪文のような本名がある。呼びにくかったら”パーシー”でいいらしいのでパーシーと呼ぶ。パルナサス博士の相棒、パルナサスを良く知り、パルナサスに意見を言える存在でもある
アントン=芸名は”使徒マーキュリー”で、ヴァレンティナに恋している大道芸人。トニーが現れてから対抗心や危機感を覚えて空回りする姿が愛おしい。ただのいいやつ
ニック=髭が整いまくっているチョイ悪系オヤジ、パルナサスに不滅の命を与えた存在。事あるごとにパルナサスに絡み賭けを提案する。絡む狙いは16歳になったヴァレンティナ?それとも?人間の姿をしているが…???
トニー・シェパード=記憶をなくした男。ニックと因縁がある人物。橋の下で首を吊った状態でいるところをパルナサス一団に助けられ行動を共にする
ま、見どころはファンタジーな世界観ってとこかな
[理性 対 欲望]、そして[選択]の物語
1回目の鏡(酔っぱらいの見るイマジナリー)
物語の最初に入る鏡の世界。イマジナリウムの世界へと呼びこむためにやってきたパルナサス団を酔っぱらった男が絡む。そしてからかいながら鏡の中に入ってしまう、鏡の世界・ルールを紹介するための生贄みたいな感じ。お酒の飲み過ぎを改心させるためにイマジナリーの世界が展開するが欲望に抗えずお酒に手を出してしまう
パルナサス対ニック、ニックの勝ち
2回目の鏡(子供が見るイマジナリー)
子供が携帯ゲームに夢中になってうっかり鏡の中に入ってしまう。なぜ入る?というツッコミはよそう。子供が入った世界はゲームの世界を再現したようなイマジナリウム。没入型シューティングゲームのような世界でガンガン打ちまくってるとボス・パルナサスが現れて子供は入ってはダメ、と警告する。どうやら子供はNGのよう
パルナサス対ニック、ドロー?
3回目の鏡(サリーが見るイマジナリー)
この世界は描写が悲鳴だけで映像はないのでどんな世界かは分からない。終始悲鳴が聞こえたので本人が望まない世界になった可能性が高い。おそらく原因はバタバタした状態で入ったので(アントンの暴走)イマジナリーの世界も暴走したと思われる。欲望や願望が影響するため、入る人間には心構え(セッティング)が重要ということが考えられる
パルナサス対ニック、ニックの勝ち?
4回目の鏡(マダムが見るイマジナリー)
セレブなマダムが見る世界。ニックとの賭けの秘密を知り協力を約束したトニーが新たに用意したセットでの最初の体験者。大きなハイヒール、宝石などの貴金属、鏡に映るかつての美しい姿、女性が求める永遠の美を具現化したような世界。欲望と願望の選択を迫られ欲望を選択しそうになるがトニーが説得する
このイマジナリウムではジョニー・デップがトニーを演じている(もうこの人なにやってもジャック・スパロウにしか見えん!)
パルナサス対ニック、パルナサスの勝ち
5回目の鏡(セレブなマダムが見るイマジナリー)
ここもイマジナリウムの描写なし。出てきた体験者は超幸せそうなのでパルナサスの勝ち
6回目の鏡(セレブなマダムが見るイマジナリー)
5回目と同じ。なのでパルナサスの勝ち
7回目の鏡(トニーとギャング4人が見る混合イマジナリー)
新しいセットで順調に集客していたが、トニーを追うギャングがトニーに気づき捕まえようと迫る。ギャングから逃げるためにトニーは鏡の中へ逃げ、ギャングも追って鏡の中へ。シュールな世界観満載のイマジナリウム。説明すんのがメンドイので観たほうが早い。ファンタジー全開の奇妙な世界、オモロイ。今まで謎だったトニーの人間性が見えてくる
このイマジナリウムではジュード・ロウがトニーを演じている
パルナサス対ニック、ニックの勝…ち?
8回目の鏡(物語最後のイマジナリー)
それぞれの選択が混じり合う世界、トニー、ヴァレンティナ、アントン、そしてパルナサスとニック。混じり合い崩壊していくイマジナリウム!さぁどうなる?
このイマジナリウムではコリン・ファレルがトニーを演じている
結果トニーを3人が演じ分けたわけだけども、それぞれ性格が違う感じがする。まぁ、人間みな違う顔を持っている、みたいなのを勝手に解釈したけどもね。環境によって変わるみたいなね
最後のほうのセリフでパーシー(パーシヴァル・サンタントワーヌ・デラ・トゥレーヌ・ピエモンテ3世)が子供に
「この物語はハッピーエンドなの?」
と聞かれ
「それは保証できない」
と答えるくだりがなんだか好き
あと、8回目のイマジナリウムでヴァレンティナが魅せるセクシーさが最高、やるなギリアム!(セクシーと言ってもエロではなく美しい感じだぞ、かわいい、角度も最高、いや、マジサイコー)
こんなとこかな
入ってみてーな~、博士の鏡